CDTVのランキングが変わった

4/8深夜放送回から、CDTVのランキングがリニューアルされました。前回の放送で「オリジナルランキングもパワーアップ」と示唆する発言があったので覚悟はしてましたが、長年親しんできたランキングの概念が変わるのはなかなかの衝撃ってもんです。CDTVは1993年に放送を開始して4月で丸24周年、僕は1996年4月から見ているので視聴者歴は21年です。同年に王様のブランチがスタートしていて、前週のCDTVをゲストライブ等除いて再放送する「CDTVリピート!」というコーナーがあったんですよね。そこで番組を知って、深夜も見るようになりました。

 

今回の一番大きな変化は、シングルランキングではなく、楽曲単位のランキングになった事だと思います。

 

番組では新しいランキングについて、

 

シングルCDセールス・音楽配信サイトダウンロード数・動画サイト再生回数・SNSのメンション数などのデータをもとに作成

 

と説明してました。エンディングにオリコンや有線放送等と並んでビルボードのクレジットがあったので、ランキングのベースになっているのはビルボードのジャパンチャートではないかと思います。実際、今週のビルボードランキングの1~4位はCDTVと同じでした。ビルボードよりも順位が高かったものに関してはオリコンシングルチャートで上位のものが多く、ビルボードのデータをベースにしつつも、CDセールスのデータ配分をやや多めにしたものになっている、というのが自分のイメージです。ビルボードでのCDの集計対象店はオリコンよりも少なく、専門店での売り上げも多いアニソンやV系にとってかなり不利になるので、今までCDランキングをやってきた番組としてはこれで多少のバランスは取れるかもしれません。それでも大きく順位が下がるのは避けられないですが。

 

今回番組を見てみて、今までと特に変わったと感じた点を幾つか挙げてみます。

 

・アルバム曲でもランクイン
 29位にNEWSのアルバムリード曲「NEVERLAND」がランクイン。シングル、配信シングルでなくてもアルバム曲、カップリング曲もランクインするケースが今後増える模様。ちなみに今までのCDTVランキングもCDシングルランキングそのままではなく有線データ等も入っていて、シングル表題曲以外がランクインした例が僅かながらあります。

 

・初登場1位が少なくなる?
 欅坂46「不協和音」が14位に初登場。集計期間はCD発売の1週前で、今回のランクインは動画再生等によるものだそうです。次週のランキングはCD発売週にあたるため1位を獲得する事が濃厚で、今後このようなCD発売前のランクインが増え、「初登場1位」は減るでしょう。ちなみに菅田将暉に至ってはダウンロードの好成績によってCD発売2ヶ月前でもランクインしていて、もはや本当の発売日とは何かといった印象。ちなみにこれまでも有線データ等の影響により発売よりやや早くランクインした例はありますが、下位での現象なのであまり知られてはいません。

 

・洋楽のランクイン
 これまでCDTVのシングルランキングには洋楽のランクインがなく、オリコンでチャートインしている作品でも除外されていました。(韓流はOK) 数年前からアルバムやDVDランキングに洋楽作品がチャートインするようにはなってましたが、メインチャートにランクインしたのは大きな変化。今週はTOP30にジャスティン・ビーバー、エド・シーラン、オースティン・マホーンがランクイン。

 

・両A面、トリプルA面がない
 CDシングルランキングではなく楽曲単位でのランキングなので、両A面やトリプルA面作品でもそのような表記はなくなります。例えば今週2位の℃-ute、CDではトリプルA面ですがランキングでは1曲での表記になっていました。勿論、今後はダウンロード等で支持が高ければ同じCDから2曲以上ランクインする可能性もあります。

 

・演歌の激減
 ファンの年齢層の高さもあり、CDランキングには常に安定して登場する演歌作品。しかし、ダウンロードや動画再生数等もデータに入るビルボードではその順位は一気に後退、今週はTOP100まで見渡しても32位の山内惠介がランクインしているのみ。CDTVでは19位とやや順位は上でしたが(恐らくオリコン6位というCDでの好成績を反映したため)、いずれにせよ演歌のランクインは今後激減すると思われます。演歌はロングヒットしやすいのでこれまでのCDTVでは長期間ランクインする事が多く、毎週見てると演歌もついサビだけ覚えてしまうというCDTVあるあるが今後はなくなってしまいそうです。90年代でいう天童よしみの珍島物語とか、川中美幸の二輪草とか...。で、サビだけやたら馴染みのある曲をレコ大や紅白で初めてちゃんと聴くというのが年末あるあるだったりもします。


CDシングルランキングはCDTVがやらなくなると一気に見かける機会が減りそうな気がします。やってもせいぜいトップ10ぐらいで、11位以下はなかなかないでしょう。正直慣れ親しんだランキングの概念が変わるのは淋しいですが、近年のシングルランキングはヒットの実感とかけ離れたものになっていたので、時代の変化として受け入れるしかないのかなあと思います。今思えば、90年代のHEY!HEY!HEY!のパーフェクトランキングがやっていた事が、今のランキングの発想に近いのではないでしょうか。CDセールス以外にも有線やカラオケ等の各種データをポイントにしてランキングを作っていました。あのランキングが一風変わっていたのは、テレビ視聴率の項目があった事ですね。視聴率が高い番組のタイアップがついている曲ほどポイントも高くなるというシステム。確かにそれだけ多くの人の耳に届いているという事ではあるのですが、視聴率ポイントのみで毎年年間トップ100に宇野ゆう子「サザエさん」がランクインするという珍現象も起きてました...。

 

ちなみにCDTV、今週から放送時間が55分→70分に拡大したのですが、その分増えたのはARTIST FILEという新コーナー。CM含めると番組冒頭20分がオープニングとその新コーナーに割かれ、延々尾崎裕哉への密着映像が流れるという妙な構成...アビー君等のキャラクターもナレーションに参加していないし、何だか独立した別番組のようでした。姉妹番組みたいにして分ける訳にはいかなかったのかなあ。わざわざ時間拡大するのなら、新しいランキングは皆の共通認識のあるヒット曲も多いし、昔のようにトップ50に戻してもいいのではないかとも思いました。