FUJI ROCK '17 DAY2

この日は健全な時間に起きて近くのホテルの朝食へ行き、10時過ぎに活動開始。グリーンのトップは観なくてもいいかなと思っていたサンボマスターだけど、丁度始まる時にグリーン前を通ったので観始めてしまった。ライブはかつてルーキーステージでも披露した「そのぬくもりに用がある」でスタート。持ち時間が長く、普段のフェスではセットリストから外れるような懐かしい名曲も続出。特に「月に咲く花のようになるの」「歌声よおこれ」で涙腺決壊だった。あの2ndアルバムの時期すごく好きなんだ。10年振りの出演というだけあって山口のテンションも凄まじく、雨の中踊り続けること1時間。結局その場を離れられず最後まで観てしまった。


少し遅れてFIELD OF HEAVENKYOTO JAZZ SEXTET沖野修也さんのバンド。ソイルのタブゾンビなんかも参加し、朝っぱらから濃厚ジャズセッションを展開。


オレンジカフェに移動し、まねだ聖子。まずタイムテーブルを見た時に爆笑してしまった。どういう活動をしたらフジロックのステージに立てるのか、と考えた事があるけど、まさかまねだ聖子を続けてるとフジロックに出られるとは...。そもそもアイドルに厳しいフェスだし、23周して逆にアリ、ぐらいの事なのか。モノマネの人は近くで観る事に意味があるからか、大きいステージではないとはいえなかなかの集客ぶり。普段はショッピングモールでの営業が多いというだけあって、こなれたステージには笑うしかない。「松田聖子観に行った事ある人!」という質問にはちらほら手が挙がってたけど、自分は本人のコンサートを観た事がないので、煽り方がどれくらい似てるのか分からなかったのが残念だった。聖子コールやら、♪フレッシュフレッシュフレーッシュの大合唱やらで会場大盛り上がり。うちわ持って来た人までいたし。赤いスイートピーで手を左右に振りながら、俺達苗場まで来て雨に打たれながら何やってるん?って気持ちにはちょっとなったけど...もはややってる事がキサラでしょ!因みに本人の興味からか、客の年齢層についてアンケートを取ったのだが、30代がそこそこいて、40代になるともっと多くの手が挙がった。松田聖子世代中心に集まったってのもあったかもしんないけど、止まらないフジの高齢...(こないだ記事にもなってましたね)


グリーンステージのCocco。バンドメンバーは20周年の法被を着て登場、Coccoは花束をステージに置いてライブ開始。雨が強くなる中、山々に囲まれたロケーションで聴く1曲目「けもの道」、既にただならぬ雰囲気。この日のセットリストは20周年ライブの延長なのかヒット曲連発の大サービスな内容で、1曲毎にイントロで歓声があがっていた。20年経っても名曲「強く儚い者たち」、雨の中で聴く「Raining」、更に「樹海の糸」まで連続できたら泣いちゃうよ。あと、2001年のMステ見てた人なら「焼け野が原」でグッと来ざるを得ないよね。20周年にこんな素敵な未来が待っているとは思わなかった。マイペースでも、続けてくれてありがとうという気持ちになった。


続いてグリーンステージはTHE AVALANCHES。去年、レッドマーキーでのステージが直前にキャンセルになってガッカリした思い出があるけど、あれから一年。アヴァランチーズをグリーンで観れるという最初で最後かも知れない機会を逃す訳にはいかない。そもそもどういうライブをしてるのかを知らないまま行ったんだけど、膨大なサンプリングから作られてる曲を普通に生バンド・生歌唱でやってるのね。激しさを増す雨の中、16年ものブランクがある1st2ndの曲がこの2017年に並列で鳴らされて、それに熱狂するフジロッカー達がいい光景だった...


ほんとはこのままグリーンに留まってCORNELIUSへと流れるのが美しいのだけど、あの方を万全の状態で観たいので、一旦宿に戻る。滞在可能時間15分程度しかなかったけど、着替えやドライヤー等を済ませ、再び会場へ。


グリーンステージでのコーネリアスを歩きながらチラ見しつつ、後ろ髪引かれる思いでホワイトステージに着くと、丁度DEATH GRIPSの演奏が終わったところ。凄まじい混雑だったが、客が抜けたところに上手く入って、56列目ぐらいまで行けた。そこから雨の中1時間待機。いよいよ小沢健二の登場。本人の声で、「みんなの力で、10.9.8....」と聞こえ、みんなでカウントダウン。0になるとブギーバックのイントロが始まり、既にスチャダラパーもいる!という粋な始まり。ブギバは過去にもライブで観た事があるけど、今回はnice vocalの小沢パートとsmooth rapのラップパートが合わさった構成で、完全版といってもいい内容だった。しかもステージには魔法的バンドのメンバー、ライブでは初参加のコーラス一十三十一、そしてスカパラホーンズまで、贅沢極まりない!熱狂そのままに、続けて「流動体について」のクラップをレクチャーしながらあのイントロを繰り返すが、実際にそこから突入したのは「ぼくらが旅に出る理由」。ひふみよツアーのラブリーのフェイントを思い出す。この日のライブではスクリーンに映像は映されず、曲のタイトルと歌詞がひたすら流れていた。本人が「歌えるところあったら一緒に歌って下さい」と言っていたし、魔法的もそうだったように、みんなで合唱するスタイルのライブ。と言われても歌えるとこってほぼ全部に等しいので、大雨に打たれながら熱唱し、尚且つ号泣するという訳の分からない感情に苛まれた。サンボ、Cocco含めてこの日3回泣いてる。レコーディングもしてない新曲として、去年からやってる「飛行する君と僕のために」を披露した後、「ラブリー」へ。ファンにはすっかり馴染んだ、♪完璧な絵に似たの部分には、初見で驚いた人もいるのかな。ニューシングル収録が決まった「シナモン(都市と家庭)」に続き、怒涛のヒットパレードに突入。正直やってくれると思ってなかった「東京恋愛専科~」に狂喜し、魔法的ツアーと同じ「さよならなんて云えないよ」からの「強い気持ち・強い愛」の流れには泣かされた。今のライブアレンジの「強い気持ち・強い愛」のドラムめちゃくちゃ好きなんだよね。間奏から歌入る時の、ダンダダンダンダンダンダダンみたいなやつ。そして先程焦らされた「流動体について」、90年代の曲と並んでも全く遜色のないグッドメロディ。ブギーバックでのスチャダラのコール&レスポンスを振り返ったMCを挟んで、「愛し愛されて生きるのさ」、ラストはニューシングルの表題曲でもある「フクロウの声が聞こえる」。この曲をこの場所で披露できるのが嬉しいと語っていたのが印象的だった。


自分は観にくさ全く無かったけど、後方は超満員のあまりほんとにとんでもない事になっていたらしい。ラッキーだった。あと、特にブギーバックとか撮影してる人も多かったけど、なんか自分は熱心に観入り過ぎて撮れなかった。そのあまりに贅沢な体験にただただ身を委ねた。オザケンのライブもフジロックも初めて行ったのがどちらも2010年で、それ以来ずっと観てきたから、自分の中ではこの両者の邂逅は'10年代の一つの集大成みたいな気持ちだった。こんな素敵な瞬間が訪れるなんて。


しかしこの日、余韻に浸る間も無く、オザケン2ステージ目を観る為にピラミッドガーデンに即移動。この移動で道をショートカットする為に、泊まらないのにキャンプサイト券まで買ったという熱の入れよう。しかしこの移動中に丁度雨が土砂降りになって、本当に心が折れそうになるほど濡れて身体も冷えた。何十分か歩いてようやく辿り着いたピラミッドガーデン、幸い人も未だ少なく、椅子で2列目を確保した。今度はそこから1時間半、雨の中待ち続けるという過酷な現場。雨で冷えているから、段々トイレにも行きたくなってくる。そして定刻を数分過ぎ、ようやくオザケン登場。このステージは近年美術館でやっている、アコースティックとモノローグで構成された内容。ライブパートにはスカパラメンバーも随時登場した。NARGOさん迎えた原曲に近い「天使たちのシーン」、Love musicで披露したGAMOさんフィーチャーの「ドアをノックするのは誰だ?」等々。先程のホワイトステージとはアレンジが違うだけでなく、セットリストも半数以上を入れ替え。この日2ステージを観ればワンマンを観たに等しいぐらいの内容だった。


モノローグでは3部に渡って、「夏休み」について語るオザケン。どうして夏に長い休みがあるのか?という内容で、アメリカにおいては年度の始まりが9月だから、その前に長い休みがある。学年と学年の間のリセット期間だから宿題もない。日本は4月に新学期だから、春にないとおかしい事になるけど、アメリカと形式だけ同じになって夏になってしまった。しかも、学年の途中にあるので宿題があるという、本末転倒な事になってしまっている、というような話。雨が激しかったので、本人からこのモノローグパートを飛ばしてライブだけやってさっさと終わらせようか?という提案もあったけど、ファンがそんなのに同意するはずもなく、きっちり予定通り行われた。しっかし予想以上にモノローグパートが長く、ライブは定刻を大幅に過ぎるほどのボリューム。おかげでトイレを我慢し過ぎて、最後「頼むから早よ終われ!」って思ってしまった。笑 内容はすんごい面白かったけど。


凍えて訳分からない状態で宿に戻る。3日目に続く。