小沢健二と安室奈美恵

安室奈美恵ドームツアーに関する若干のネタバレを含んでいます。これから参加される方はご注意下さい。

 

今年のGW、日本武道館では復帰後初のアリーナツアーとなった小沢健二のライブが、東京ドームでは引退前最後のドームツアーとなった安室奈美恵のライブが行われた。

 

僕は2日に小沢の、3日に安室のライブを観に行った。僕にとってこの2人は、90年代半ばの音楽番組を彩ったポップスターである。昨年、小沢は19年振りのシングルでシーンに本格復帰、一方の安室は突然の引退を発表。奇しくも「新たな始まり」と「歴史の終わり」が同時期に起きたのだった。

 
この2人、90年代には音楽番組で共演する機会も多かったほか、安室がレギュラー出演していたCX「ポンキッキーズ」に小沢がゲスト出演した事もある。(恐らく小沢と親交の深い番組レギュラー・Boseから繋がり、出演に至ったと思われる)

そして最近まで気付かなかったのだが、両者には結構な共通点がある。

 

・グループ出身、後にソロデビュー(小沢はフリッパーズ・ギター、安室はSUPER MONKEY'Sの元メンバー。別れた方のメンバーもそれぞれコーネリアス、MAXとしてその後活躍)

・1995年に紅白初出場

・大ブレイク時には女性人気が高かった(小沢に黄色い声援が飛ぶのはよく分かるが、今でいうアイドル的なグループに在籍していた安室が、主に同性からの支持によってブレイクに至ったのは興味深い。アイドルをアーティスト化してブレイクさせるのが得意だった小室哲哉の方法論も大きいと思われる)

・1998年に表舞台から姿を消している。同年1月28日にそれぞれ最後の作品をリリース。(小沢→シングル「春にして君を想う」、安室→ベストアルバム「181920」)


それぞれ事情は異なるが、両者は共に1998年に一度表舞台から姿を消している。そして、第一線へのカムバックに大きな違いが生まれる事になる。安室は出産からおよそ7ヶ月後、1998年12月23日に復帰シングルを発売、同年12月31日の紅白歌合戦でステージ復帰を果たす。その後も精力的に音楽活動を展開し多くのスマッシュヒットを生むのだが、全盛期のようなセールスをあげる事はなかった。およそ2年でTKによるプロデュース体制が終了しセルフプロデュース期に入ると、本人も語っていた試行錯誤の時期が長く続く。プライベートでも身内による事件、離婚など様々な困難に見舞われたが、それでも安室は一切活動を止める事なく闘い続けた。

 

一方の小沢は、そもそも活動休止を明確に告げた訳ではない。しかし1998年の春頃には渡米したと推測され、CDのリリースは途絶える事となった。その後コンピレーションへの参加を挟みながらも、小沢健二名義の作品発表には2002年2月まで約4年の歳月を要した。全曲NYで録音されたアルバム「Eclectic」はウィスパーボイスによる歌唱、官能的な詞世界などでこれまでのファンをふるいにかけるような衝撃的な作品であった。あらゆるメディアに露出していた90年代とは異なり、本人稼働によるプロモーションは一部のラジオ出演に限られ、ファンの謎は深まるばかりだった。

 

安室はその後SUITE CHIC名義のアルバムで様々なアーティストとのコラボレートにより本格的なR&Bサウンドに挑戦。そこで培ったものを後の作品にもフィードバックし、攻めたR&Bサウンドを追求した結果、セールスはV字回復する。全盛期を知らない若い女性ファンも急増していった。


小沢が「Eclectic」の次のアルバムをリリースする頃には、更に4年の月日が経っていた。 厳密にはその間にアルバム未収録曲集「刹那」があったが、純粋な新作ではないうえ、契約によって決まったリリースだったようだ。(選曲に小沢本人の意向は反映されている)  4年振りに発表された満を持しての新作はノンプロモーション、全曲インストという異色のアルバムで、そもそもマスに向けて売る気すら感じられないものだった。作品に関する本人のコメントもなければ、新曲には歌詞すらない。そのような状況下で、唯一彼の紡いだ言葉が発表されていた小説「うさぎ!」は、童話形式をとりながらも社会の在り方に鋭く問いを投げかける作品だった。一部の熱心なファンは、この僅かな手がかりから彼の当時のスタンスを必死で読み解いた。それでも、彼が本当に何を考えていたのかは、わからない。00年代後半には後の妻と共に自主制作の映画を公開するツアーを行っていたが、これに参加したのは一部のファンであり、彼が自身の言葉で多くのファンに思いを伝えるようになるには、2010年まで待たなくてはならない。自身の活動に対して誤解も含め様々な憶測を呼んでいた事を小沢本人は知っていたようだが、あえて説明はしなかったと復帰後に明かしている。

 

安室はその後2012年にデビュー20周年記念のドームツアーを敢行する。この時には既に引退を意識していた事が昨年になって明かされた。しかしそれが叶わなかった為、25周年を目処にと考え、活動計画を立てる事になった。そうして5年が経ち、昨年予定通り引退を発表。前回を上回る規模のドームツアーを行う事となった。

 

現在行われている安室のドームツアーにおけるベスト盤の会場特典として用意されたDVD「Spot Single Collection」。これは「Body Feels EXIT」以降にリリースされたシングルのTV SPOTを発売順にまとめたものである。1作品15秒なのでトータルでも11分ほどだが、安室の歴史だけでなく、音楽シーンの移り変わりも感じられる興味深い1枚となっている。avexロゴの出方の変遷、コピーコントロールCDのロゴが出ていた時代など懐かしい気持ちに浸りつつも、CCCD以降はDVD付き盤のリリースや両A面での発売など、1枚の作品としての充実度を上げるような試みがなされている事が分かる。初期作品の方が長くヒットチャートに居座っていた事もあってか印象は強いが、新たな黄金期に入ったあたりから、映像作品としての見応えは寧ろ上がっている。映像技術の向上は勿論、PV=プロモーションビデオから、MV=ミュージックビデオという呼称に徐々に変化していった事からも、楽曲だけでなく映像も含めトータルで魅せる時代に変化していった事がうかがえる。デビュー当初から一貫して歌とダンスで、視覚と聴覚に訴えかける表現をしていた安室は、こういった時代の変化に適応しやすかったと言える。

 

一方、小沢は2010年に13年ぶりとなるコンサートを全国で開催。その後2012年の東京連続公演、2016年の全国ツアーを経て、2017年に19年振りのCDシングルをリリースするまでには実に7年の歳月を要した。そこから約1年の間に、怒涛のTV出演、フジロックフェスティバルへの参加、SEKAI NO OWARIとのコラボレート、映画主題歌シングル、22年振りの日本武道館公演までをもこなし、多くの話題を振りまいた。2016年までの公演では往年のヒット曲が多数披露されたものの、一部の写真が公開されたのみで現在まで一切映像は公開されていない。チケット入手に際しては争奪戦となり、今思えばコアファン向けのクローズドな印象が強い。今回の日本武道館2DAYSを含むツアーでは新曲のない代表曲中心のセットリストを復活以降最大規模の会場で披露し、近年では最も開かれた世界観という印象を受けた。また渡米する際の思いを歌った「ある光」と、その続編とも言える「流動体について」が初めて連続で披露され、大衆音楽に戻ってきた小沢健二の本当の復活を印象づけるものとなった。(これまでにも何度も復活を感じさせる瞬間はあったが、今回の「ある光」の力強い"Let's get on board"の叫びは、シーンへの帰還を特に強く印象づけた)

 

小沢はこれまでの環境を一度リセットし、長い時間をかけて自身の生活、社会の在り方に向き合い、自らの表現をアップデートしてきた。そして長い時間をかけて準備したうえで、ようやく第一線に帰還した。今回の武道館公演で復活以降の怒涛のアウトプットはひとまずひと段落、といった印象を受ける。

時を同じくして、様々な困難と真正面から闘い続けてきた安室奈美恵がステージから去る。先日観た東京ドーム公演でも、一年に一度ツアーで皆さんに会えるのが楽しみだった、と少し淋しそうにしながらも、9月16日以降ステージに立つ事はない、と改めて宣言していた。「いち音楽ファンとして、皆さんの毎日に素晴らしい音楽が溢れる事を願っています。これからも沢山沢山素晴らしい音楽と出会ってください」というコメントは、彼女のこれまでとこれからを繋ぐメッセージとして聞こえた。しかしツアーの初日でも千秋楽でもないのに涙を見せ、「最後は笑顔でお別れしましょう。みんな元気でねー!バイバーイ!」と手を振る安室の姿には、こちらもどうしていいか分からず、ただただ呆然としてしまった。幸福な終わりを祝福したい気持ちもあるが、歩みを止める事なく走り続けてきた安室奈美恵が本当にステージから去るのか?と、未だ信じられない気持ちも残った。


今年で1998年から20年。復活への長い道のりと、引退へのカウントダウン。新たな表現に対して、シーンから離れじっくり時間をかけて辿り着いた小沢と、もがきながらもひたすら歌い踊り続けて新たな世界観を切り開いた安室。それぞれの立場にそれぞれが誠実に向き合ってきた結果なので、どちらが良いという事ではないが、対照的な20年の歩みが同じタイミングで結実するという、不思議な両者のリンクを感じた2つの公演だった。

小沢健二「春の空気に虹をかけ」メモ

小沢健二2年振りのツアー「春の空気に虹をかけ」、無事終演。

僕が行ったのは、東京国際フォーラムホールA、大阪城ホール日本武道館の初日。つまり千秋楽以外全部。

既に多くの方がまとめや考察をアップしていらっしゃいますが、セットリスト各曲の備忘録的なメモをまとめておこうと思います。

 

1.アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)→ポエトリーリーディング部分を小沢一人で高速で言い放つ。「大阪ー!」もしくは「東京ー!」と叫び、10,9,8,7...のカウントダウンからイントロへ。"駒場図書館を~"のタイミングでステージ上のメンバーの姿が見える。途中、"小沢くん、インタビューとかでは~"の部分は強調して何度も繰り返すチャーミングな小沢君。

 

2.シナモン(都市と家庭)→NHK・SONGSでもやっていた、変身する!のポーズは観客と一緒に。曲中にサポートメンバーの名をメロディにのせて紹介。

 

その後、改めてこの時点でステージ上にいるメンバーを紹介。国際フォーラムではMCとして長々と語っていたが、大阪ではリズムに乗って行うようになった。また、国際フォーラムのみカメラマンが常にステージ上を動き回っており、37人目のメンバーとして紹介された。

ギターの土方さんは戦場のボーイズ・ライフの時に弾いていた方で、長い歳月を経てようやくライブ初共演である、鍵盤の西村さんは最近出会った若き天才、などのエピソードが挙げられる。また、満島ひかりが最後まで全曲参加するメンバーであると明かされると、特に初日には驚きの声があがった。この件についてはすぐさま情報が解禁されたため、大阪城ホール以降は「マスコミ報道の通り」などメディアを意識した発言もあった。今回も魔法的ツアー同様、観客も一緒に歌うスタイルであり、その説明の際には 「「女子」「男子」とか言いますので、女子っぽい気分の人・男子っぽい気分の人は一緒に歌って下さい」と、ジェンダー配慮がすごい。

 

3.ラブリー→満島ひかりとデュエットだが、アルペジオのカップリングに収録されたシンプルなバージョンではなくフルバンド演奏。武道館では「アップルのやつの完全版」といった発言もあった。曲中にストリングスチームも入場し、後半から演奏に加わる。

 

4.ぼくらが旅に出る理由→ホーン、ストリングス共に揃っており、LIFE収録のものに近いアレンジ。満島は小沢の横で、着替えの服で悩む仕草や歯を磨くアクションなどをしてみせるが、これはPVのオマージュ。2番、"そして君は摩天楼で~"の部分を高いキーで満島が歌うと、"それで僕は腕をふるって~"の部分を今度は小沢が歌う。このパートの男女の対比は、安藤裕子によるカバーバージョンを思わせる。(安藤、そしてスカパラ茂木欣一によるデュエット歌唱)

 

5.いちょう並木のセレナーデ→曲前に「雨降ってきましたね」と発言する小沢。武道館のみ初日のみ本当に外では雨が降っていたが、勿論その体で、という事。「傘でも差しながら」と、ステージ上手に移動し、傘を広げる満島と熱唱。女子パートと男子パートに分け、観客にも歌うよう要請する。オリジナルでは2番のサビで終了だが、今回はその後転調し、2番の歌詞を最初からもう一度繰り返した。そして最後のサビのみ、"アイム・レディ・フォー・ザ・ブルー?"の部分が"わかってきてる?"に変更。これはひふみよツアーと同様の歌詞。

 

6.神秘的→満島が下手に移動。小沢と距離をとりながら、デュエットで歌唱。台詞部分を満島が担当。子供達、そして子供がいる人達に、という旨のMCが曲前にあった。

 

7.いちごが染まる→2010年以来の披露。満島が緑と赤の蛍光色のロープ?のようなものを持ち、小沢を囲むようにぐるぐる回っていくという演出があった。

 

8.あらし→ライブ初披露の2002年曲。原曲ではウィスパーボイスでの歌唱だが、今回は通常の小沢らしい歌唱スタイル。

 

9.フクロウの声が聞こえる→セカオワは不在だが、アレンジはほぼCDに近い。楽曲から溢れる生命力が凄まじく、ある意味今ツアーでの一番のハイライト。ファンク交響楽でやりたいのはこういう事らしい。

 

10.メドレー(戦場のボーイズ・ライフ~愛し愛されて生きるのさ~東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディ・ブロー~愛し愛されて生きるのさ~戦場のボーイズ・ライフ)
→戦場~は2010年以来の披露だが、原曲キー、及び原曲に近いアレンジでの歌唱は恐らく1996年以来。冒頭部分、"ラッキースター"のロングトーン、"いつだってSOULは~"の部分、2番などカットされた部分も多々あるが、後半ではライブビデオでのみ確認できるCDとは異なる歌詞も歌われた。また"カモンボーイ!"の部分は"大阪ー!"など地名のシャウトに変更。小沢曲の中で恐らく一番キーが高く、2010年の披露時にはキーを下げて歌われたが、今回はまさかの原曲キー。50歳にして声、出る出る!"いつだって信じて~"のところで、王子様の格好して歌ってたHEY!HEY!HEY!のエンディングを思い出した。

「愛し愛されて生きるのさ」では印象的なイントロはカットされたが、前半後半合わせてほぼフル歌唱。後半は、"家族や友人たちと~"の部分から歌われた。ひふみよツアー同様、後半サビの前の歌詞が"我ら時を行く"に変更された。

「東京恋愛専科~」は、「愛し愛されて生きるのさ」前半後半の間に挟まれながらもほぼフル披露。冒頭、小沢弾き語りで"それでいつか僕と君が~"のパートからスタート、語尾を"お出かけしたいんだよ~"などとアレンジしてみせる。魔法的ツアーではHALCA主導による振り付けが印象的だったが、今回は小沢主導でイントロからより複雑な振り付けを展開。雨、雨、アレ?、傘、目目耳耳鼻鼻口口キラキラ、空~って、観てない人には何のこっちゃでしょうけど。この曲では演奏しないメンバーも多くおり、後方でシャボン玉を吹く姿が見られた。ほぼフルだったものの、2番の"ドミノ倒しが~"のくだりのカット、2番サビでの転調など変更点が幾つかあった。

 

11.強い気持ち・強い愛→ストリングスが入っているので原曲に近くもありつつ、魔法的でのアレンジをアップデートしたようなものになった。今回初めてイントロにブレイクが入り、よりキレッキレの踊れる仕上がりになった。個人的にはAメロに入る時の白根さんのドラムが大好き。

 

12.ある光→"Let's get on board"を力強く言い放ち、"飛び立とう、しっかりと"などのフレーズを加える場面もあった。ライブ後にオリジナルを聴くとBPMが遅く感じられるほど、今回のツアーではかなり凄まじいテンションで鳴っていた。小沢の帰還を改めて感じる、長年のファンにとってはグッとくるポイントである。

 

13.流動体について→戦場~ある光まではノンストップで演奏され、この曲の前に短いMCを挟んだ。フジロック同様、クラップを2回繰り返してから曲へ。この曲は復帰第一弾シングルにして「ある光」の続編的楽曲として知られているが、今回初めて連続で演奏された。本編はこの曲で終了、小沢は「アンコール呼んで下さい」と観客に呼びかけてステージを去る。

 

以下、アンコール。

EN1.流星ビバップ→「春、空、虹、春空虹」の声から曲へ。

 

EN2.春にして君を想う→CDとは大きく異なるアレンジ。間奏では2度、小沢・満島で左右にステップを踏む場面も。

 

EN3.ドアをノックするのは誰だ?→"一緒に導かれたいんだ~"のフレーズ(オリジナルでは英語の部分)から始まり、その後イントロへ。サビではドアノックダンスを踊る客達。

 

EN4.アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)→曲に乗せて36名のメンバーを紹介、メンバーを読み上げた後はオッオーオ!のかけ声を入れる。今ツアーのエンドロール的な位置づけなのか、楽曲自体は最初に披露したものよりも尺が短い。

 

全曲終了後、MC。毎回、「今日初めて僕のライブに来た方はどれぐらいいらっしゃいますか?」と尋ねる。カウントダウンをもってライブを終了する旨を説明し、「5.4.3.2.1 生活に帰ろう」の声で暗転、ライブ終了。開演が押した分を除く実質的な演奏時間としては各日2時間ちょっと。行っていない最終日のみ、最後にフクロウの声が聞こえるをもう一度演奏したらしい。

 

 

ちなみに僕は3公演とも号泣。特に初日...アルペジオから泣いていたけどぼくらが旅に出る理由と後半の怒涛のヒットパレードブロックで涙腺大崩壊、とんでもない事になってた。オザケンのライブはほぼ毎回泣いてしまうんですが、復活ツアーの頃は、とにかく信じられない、奇跡を観てしまったという涙だったのが、今はちょっと変わってきていて。ありがたい事に小沢健二のライブがある程度日常になってきたので、希少性というよりも曲に凄まじい生命力を感じて涙してしまう事が多い。その説得力は年々増してきているように思う。その1つの到達点が、今回の36人ファンク交響楽だった。分かっていても何度でも観たくなる素晴らしいコンサート。至福の時間だった。

2017年年間ベスト

今年はTOP30を出します。

 

30.fools/DENIMS
29.PINKVIBES/Suchmos
28.Austin Town/Tempalay
27.ensemble/SCOOBIE DO
26.一休さん/水曜日のカンパネラ
25.11月のアンクレット/AKB48
24.さよならバイスタンダー/YUKI
23.ダンスに間に合う/思い出野郎Aチーム
22.若い広場/桑田佳祐
21.はじめまして未来/フィロソフィーのダンス
20.今/関ジャニ∞
19.THANK YOU FOR THE MUSIC(Nui!)/bonobos
18.KATOKU/レキシ
17.二回戦/銀杏BOYZ
16.バンドワゴン/ラストアイドル
15.イト/クリープハイプ
14.World is Mine/Yogee New Waves
13.灯り/ストレイテナー×秦基博
12.美しい棘/GLIM SPANKY
11.明日も/SHISHAMO
10.LIKE A ZOMBIE/フィロソフィーのダンス

9.エンジェルベイビー/銀杏BOYZ
8.WIPER/Suchmos
7.ダンス・ファウンダー/フィロソフィーのダンス
6.ステップアップLOVE/DAOKO×岡村靖幸
5.目抜き通り/椎名林檎トータス松本
4.ロマンス/原田知世
3.フクロウの声が聞こえる/小沢健二SEKAI NO OWARI
2.千%/KICK THE CAN CREW
1.流動体について/小沢健二

 

こうやって並べてみると自分ポップだなあ、と思います。ここ数年好きなタイプの曲が売れるようになってきて、嬉しいようなただのミーハーのような。

 

今年は何つっても小沢健二のシーン最前線復活。2016年の魔法的ツアーが明らかにニューモードだったけど、その勢いのままシングル2枚にTV出演、フジロックまで...自分は全然露出のない時期に狂ったように聴いてたからもう夢のようだったし、フジロックオザケンというこれ以上ない組み合わせまで実現。「流動体について」はツアーの新曲7曲の中では突出して目立つ曲ではなかったけど、「ある光」の続きとして聴くとこれ以上ない復活のファンファーレとして響いてきて、感動しかなかったです。

 

で、そのオザケン×セカオワ、林檎とトータス、DAOKO×靖幸、テナー×秦基博と、良質なコラボレートが多数。ネームバリューからして一定のクオリティのものができるのは分かるものの、どれも音聴いて衝撃。オザケン×セカオワは最初こそ驚いたけど親子をテーマにした世界観に完全に入り込んでたし、林檎とトータスはもうほんと高尚なものを見せていただいた、という感じでした。DAOKO×岡村靖幸は完全にWin-Winなやつだったと思います。岡村ちゃんをMステまで連れて行ってくれたのは感謝しかないなあ。テナー×秦基博はいい曲なのにイマイチ話題にならなかったのが残念でした。冬のビールのCMタイアップかなんかあると絶対売れたと思うんだよなあ。カップリングのテナーによる「鱗」カバーも素晴らしい出来でした。

 

あとは若いバンドをよく聴いてましたね。シティポップ(という言い方が適切なのかは微妙だが便宜上)系統がすっかりメディアにも取り上げられるレベルのトレンドになってきて、サブスクの発展でそれらを追いやすくなったのがよかったです。Suchmos世代やそれ以降のバンドも人気に火がついて、今年から来年にかけてメジャーデビューしていくので今年はこの感じ楽しめそうだけど、ちょっと終わりも見えつつあるかなと思う今日この頃。世代としてはbonobosが今っぽい音で大復活してきてるのも最高でした。

 

アイドルは自分としては例年通りフラットに見てるつもりなんだけど、今年はイマイチだったかなあ。選べないほどベスト作品がある人もいるんだろうけど、例年以上に豊作という事はなかったと思います。個人的に今年は何と言ってもフィロソフィーのダンス。次々に公開される新曲がいずれも甲乙つけ難い出来で、それらがまとまった2ndアルバムが大名盤でした。ラストアイドルは8月のオンエア開始から毎週デビュー曲を刷り込まれてたので、デビュー前なのに完全に歌える上、歌詞とストーリーのリンクにもグッと来ざるを得ないという、シナリオに完全にハマってましたね。欅は去年が最強過ぎたのかイマイチ、AKBはようやく11月のアンクレットで名曲がきたけど恐らくこれは単発的なものなんだろうな。

 

ライブに行った本数は前年より減ったけど、フェスの数が増加。夏は人気の若手バンド並みに行脚してました。初めて行くフェスが多くて、念願のラブシャ夏の魔物が印象的でした。あとはこの先もっと歳とってから行くのはしんどいという理由からサーキットイベントも行ってみたりして、新しい音楽にも結構触れてたと思います。洋楽はランキングに入れてないけど、THUNDERCATが最高でした。フジロックでもアメリカでも観た結果、フジでのシチュエーションによって何倍もマジックがかかってるのがよく分かりました。フジってやっぱ凄い...!

今年もよい音楽とよい出会いがありますように!

SWEET LOVE SHOWER 2017

夏の遠征第3弾、8/27はSWEET LOVE SHOWER 2017へ。

首都圏からアクセスが容易な主要フェスって大体行った気がしていたけど、ずーっと行ってなかったのがラブシャ。行かなかったのはタイミングが合わなかったのもあるけど、「ほぼ被り無しのタイムテーブルを売りにしている→観るものの選択肢が少ない」という事だから、出てる面子を全体的に好きじゃないと1日楽しめないんじゃないかなと思っていたのが理由。でも今年の日曜日は間違いなく1日楽しめる自分的に過去最高の面子で、これは!!!!と早めに即決。万全の準備で当日を迎えた。

 

山中湖までは、特急+駅からバスというプランを選択。

6:30 特急券の引き取り
7:00 新宿駅特急出発
7:55 大月駅到着

その後バスに乗り、山中湖に到着したのが9:30前ぐらい。駐車場から少し歩いて会場へ。


場内を歩いての感想を幾つか挙げると、

 

・ステージ間が近くて会場全体がコンパクトにまとまっている。フェスでのステージ移動は10分ぐらいは歩くのが普通だと思っているけど、混んでいても数分で着く。雨で田植え状態になる事もなく、歩きにくさもなかった。快適。


・参加者にすごく優しい。何度でも取り出し可能なクロークあるし、オフィシャルグッズで長靴やポンチョまで売ってるフェスは珍しい。雨降って困ってもこれなら買えるね。ホスピタリティ最高だし、フェス初心者には最適なのでは。自分は過酷なフェスに慣れているので、そんなに甘やかしていいの?ってちょっと思ったほど。


・人を入れ過ぎていない。これほんと大事!SOLD OUTのはずなのに、混み過ぎて困る事はなかった。無理に動員を増やすよりも来場者の快適さを保つのを優先してくれているのは良心的。それでいてオフィシャルサイトの終了後メッセージにはこの謙虚さ!

「最後に、ご来場頂きましたお客様には、イベント会期中至らない点が多々ありご迷惑をお掛けしてしまったかと思いますが、貴重なご意見は来年に向けて修正して参りますのでよろしくお願い致します。日常を忘れ、大自然の中で音楽に包まれた3日間、皆様にたくさんの感動と思い出ができていると幸いです。我々スタッフにとっても忘れられない年になりました。また来年、山中湖で会いましょう!」

至らない点?多々?ないよ!至れり尽くせりだよ!


・Mt.FUJI STAGEの客席、傾斜がいい!後ろからでも見える。ライブを観やすくする為に作られたスペースなのではと錯覚しそうになるほど。


・女子が多い!ホントにこれ男一人で行ってたら心が折れるところだった。あと客層は若いとみた。20代が多そう。


・過ごしやすい気温とナイスロケーション。ラブシャは雨の日が多いとも聞くけど、この日は晴れていて尚且つ暑過ぎなかった。晴れてもロッキンみたいな猛暑にならなのがいいし、夜に羽織るもの1枚さえあれば全く問題ない。しかも湖の畔に位置しててほんとに気持ちいい場所ですね。晴れてたのに富士山が見えなかったのだけは何で!ってなったけど。


・人で混んでいるように見えても意外と前に行ける。横移動の通路を常に作っていて、ギリギリに入ってもそこそこの位置で観れるの超助かる。何て快適なんだ!



お昼までに観たのは3アクト。Mt.FUJI STAGEでは60秒前からカウントダウンが始まり、0になったところでトップバッターのMy Hair is Bad登場。序盤はスピーディーに曲を連投していったけど、中盤でリズム隊の演奏に乗せて椎木の語りが7分ぐらい入るのは初見の自分にはビックリした。あれは好み割れるな~。バンドとして、個人としての受容のされ方に対する反骨精神は分かる気はするけど。もう少し年齢を重ねてどうなるかも興味深い。

1. アフターアワー
2. 元彼氏として
3. 告白
4. 接吻とフレンド
5. フロムナウオン
6. 真赤
7. 夏が過ぎてく

 

LAKESIDE STAGEのトップはSHISHAMO。セットリストにない選曲でのリハを経て本編へ。春に観た時は新作の流れを汲んだセットリストだったけど、今回は幅広い選曲。夏フェスで「君と夏フェス」観れたのは素直によかった。「明日も」はアルバムで聴いてると他にいい曲いっぱいあるのに何でこれがリードなんだろうって思ったけど、ライブのラストにくるとポジティブに終わっていいですね。ホーンは同期でちゃんと入ってた。なんかすごい健全な音楽。ロックとか分からない中学生とかでも絶対大丈夫なやつ。観客とのコミュニケーションにも積極的で、レキシかなんかの服着てた子供をいじったり、みんなに今日何時に起きたのかを尋ねる場面も。5時台が多かったかな?自分は4時台だったけどそれもちょくちょくいた。

1. 好き好き!
2. 量産型彼氏
3. BYE BYE
4. タオル
5. 君と夏フェス
6. 明日も

 

Mt.FUJI STAGE2組目は、GLIM SPANKY。ほんとかっこいいよなー、年々好きになる。この日の面子の中ではちょっと浮いてたし、昼時なのも相まって若干人少なかったけど、内容はほぼパーフェクトだったのでは。フェス向きと思えない「闇に目を凝らせば」なんか入れてきたの個人的に超興奮。後半もっと完璧で、「怒りをくれよ」の待ってました!感、「美しい棘」は最新曲なのにもはやスタンダードみたいな匂いすらするし、更に最後「大人になったら」でシメたのが最高。その時のMCもよかった。周りが就職とかするようになってきたお客さんなんか1~2人ぐらいでもずっとライブハウスにノルマ払ってやってた、そんな時に大人がいつまでバンドやってんだみたいな事を言ってきて...でもそういう事を言うのが大人なのか?みたいな話。出順は序盤だったけど、後を引く内容だったなあ。最近よく聴いてる。

1. アイスタンドアローン
2. 褒めろよ
3. 闇に目を凝らせば
4. いざメキシコへ
5. 怒りをくれよ
6. 美しい棘
7. 大人になったら

 

昼食(佐世保バーガーとかき氷!)を挟んで、Cocco。初めてかな、金髪で出てきた。1曲目、あのヘヴィーなギターから「強く儚い者たち」へ。今年観るの3回目だけど、何度聴いても泣きそうになる。フジの時は雨の中だった「Raining」はこの日は青空の下で披露。文字通りの「それはとても晴れた日で」だった!この日は「今までの歌手人生で一番風が気持ちいい」そうで、気持ち良さそうに前後に揺れながらエモーショナルに歌唱。Coccoは観る度に、続けてくれてありがとうという気持ちしかない。

1. 強く儚い者たち
2. Raining
3. 樹海の糸
4. 愛うらら
5. Way Out
6. 音速パンチ

 

LAKESIDE STAGEで、レキシ。1曲目「KMTR645」で大量のイルカを投げ込むと、かなり矢継ぎ早に3曲を序盤10分でやりきった。「KATOKU」なんかほぼ1番のみのショートバージョンだったし。そして残りの20数分を「狩りから稲作へ」「きらきら武士」の2曲だけに使う構成!かさばるので家から稲穂持って来なかったのだけど、会場の稲穂率が尋常じゃない。池ちゃんはこの日もキレッキレで、「稲穂持ってない人全然恥ずかしくないですからね、むしろ持ってる方が恥ずかしい」「ラブシャは毎年雨で、田植えだ田植えだと言われた」、あと稲穂の代わりにススキを持ってきてる人を注意してた。恒例の替え歌はゆず「夏色」を♪稲穂をいっぱい握りしめて~と歌唱。自ら「レキシももう下り坂」って言ってたけど、ほんといつまでもつだろうか...

1. KMTR645
2. KATOKU
3. SHIKIBU
4. 狩りから稲作へ
5. きらきら武士

 

Mt.FUJI STAGEでSuchmos。定番の「YMM」でスタート。前半は「Miree」とか1stアルバム中心、後半はニューシングルの収録曲という事で、「STAY TUNE」をやらない暴挙!なのに「STAY TUNE」入ってるシングルのカップリングの方やってた。絶対わざとだろ!この日の予習をするとしたら普通2ndアルバムだと思うのだけど、あまりに聴いてきた人が報われない内容に、なんか実際終わった後微妙な空気になってた。STAY TUNEのおしゃれバンドとして消費される事への反発心は実際すごく感じるよね。自分としてはニューシングルの曲が思いの外浸透してないのもちょっと思うところはあった。「WIPER」超かっこいいのに。翌日、YONCEが「昨日は自分の歌唱やバイブスの至らない部分もあったり」とインスタに書いていたので、選曲はともかく、出来にはバンドとしても思うところはあった模様。

1. S.G.S.4 -Short Ver-
2. YMM
3. Miree
4. FACE
5. WIPER
6. OVERSTAND

 

休憩を経て、PAELLAS。最近スペシャと契約した、ネバヤンのギターがやってるバンド。ここのところ急速に名前を聞くようになっているので、きっとこれから台頭するはず。河口湖沿いに建てられたWATERFRONT STAGEにて、夕方座りながら、少し眠くなりながら聴くのが最高に気持ちよかった。

1. Shooting Star
2. Night Drive
3. The Stranger
4. Fire
5. Fade
6. Anna

 

Mt.FUJI STAGEでクリープハイプ、実は初見。ここ最近の曲が以前に増して良いので一度観ようと思っててやっと叶った。1曲目いきなりの「HE IS MINE」で、♪セックスしよう~やっと言えた。尾崎世界観、MCでラブシャをとても大切に思っている事、それで気合いを入れ過ぎて昨日髪を切ったらワカメちゃんみたいになってしまった事を告白。それも夏のせい!で「ラブホテル」へ。後半は「鬼」「社会の窓」「イト」と怒涛のヒットパレード。満足。

1. HE IS MINE
2. 火まつり
3. ラブホテル
4. 百八円の恋
5. 鬼
6. 社会の窓
7. イト

 

LAKESIDE STAGEに大量の客を集めた[Alexandros]。最初知らない曲だなーと思ったら、1曲目からいきなり新曲。で、2曲目「ワタリドリ」。日本のロックフェス王道のテンプレみたいな盛り上がりで逆に気持ちいいな。この日は昔の曲も多かったけど、ラストがまた新曲。サビでイェーイェー言うキャッチーなやつなので、今後ライブでも核になるのでは。30分ほどで早々に去っていった。

1. 謎曲
2. ワタリドリ
3. Kaiju
4. Kick&Spin
5. Adventure
6. 新曲

 

Mt.FUJI STAGEのトリは久保田利伸。ずーっと観たかった!まずはバックバンドが鉄壁のアンサンブルで数分インスト披露。DJまでいるし、同じステージでさっき観たSuchmosのグルーヴ感とかぶるけど、こっちのが圧倒的過ぎて自分の中でSuchmosが謎の損をするという... んで引っ張って引っ張ってようやく本人登場。ためまくりながら「LA・LA・LA LOVE SONG」の最初のサビ熱唱。当然の大歓声なのだが、そこからバンド動き出してからの高揚感ハンパない!もはやナオミキャンベルのパートまで含めて全部歌えるよね。夜空に溶けるような「Missing」、コーラスとのデュエットで「上を向いて歩こう」カバー、そしてラストは「LOVE RAIN~恋の雨~」。イントロめっちゃかっこいい!COSA NOSTRAの「Jolie」みたい。今までライブ観た人達で超別格なアクトって何組かあるけど、久保田利伸そこに追加だなあ。できれば「流星のサドル」が聴きたかった。

1. BOOTSY OPENING
2. LA・LA・LA LOVE SONG
3. Bring me up !
4. Missing
5. Upside Down
6. Free Style
7. SUKIYAKI ~Ue wo muite arukou~
8. LOVE RAIN ~恋の雨~

 

ラストはゆず。1曲目で「サヨナラバス」は泣けるよ...。で続けて「少年」とか何なんだ今は99年か!これでもかとノスタルジーを刺激してくる。「ゆず初めて観る人!」との質問には、手を挙げた人が殆ど。まあそりゃフェス出ないもんなあ。俺何で2回も観た事あんだ、と思ったら両方スペシャのイベントだったが、3度目の今回も例に漏れずである。代表曲として「虹」を演奏した後、新曲を聴いてほしいと、「愛こそ」「タッタ」へ。ロックフェスでタッタダンスをレクチャーし始めるのマジでチャレンジャーだなと最初思ったけど、まあ今のフェスってもう何でもアリな空気なのよね。夜少し寒くなってきてたし、そこで身体を温めさせてから上手いこと「夏色」へ。めちゃくちゃ盛り上がってたし、「もう一回!」もバッチリ決まった。イントロで飛んだ銀テープはメンバーコメント入りのもので、当然争奪戦になるんだけど、余ったのを後からスタッフが地道に渡しにまわってくれたのもすごくよかった。ラスト、アンコールではなくそのまま「栄光の架橋」へ。1日が完璧にシマったなーとグッときていたところ、頭上には花火が。フジは前夜祭に行かないと花火見れないだけにここんところ夏フェスの花火ってあんまり見てなくて、かつて毎年行ってたロッキンの夜を思い出して懐かしかった。

1. サヨナラバス
2. 少年
3. 虹
4. 愛こそ
5. タッタ
6. 夏色
7. 栄光の架橋

 

最高の気分で帰宅と言いたいところなのだけど、ここからが問題。新宿行きのバスが停まっている駐車場の場所を間違えて、しばし迷ってからようやく到着した20時台後半、そこには長蛇の列。しかも一向に動かない。後から聞いた話では首都高で事故があったらしいけど、説明が無く何が起きたのか分からないまま1時間以上並び続けた。後ろにいたグループがやってた、懐メロをひたすら歌うゲームに大笑いしながら過ごして、バスがようやく動き出した時には22時過ぎ。途中サービスエリアでのトイレ休憩を経て、新宿に着いた時には1時を過ぎていた。終電も逃した。

 

この時間からホテルに行っても勿体ないので、カラオケで朝まで過ごす事に。めちゃくちゃ疲れているはずなのに、近くの部屋から聞こえてくるヘタクソな歌のせいでなかなか眠れない。せっかく来た事だし少し歌ってみようと、昼間に聴けなかった「STAY TUNE」やら、夜に聴いた「夏色」やらを熱唱する。そして横になって寝るも、僅か2時間ほどで起床して始発で帰宅。めちゃくちゃ疲れた。

 

長い長い1日。最後ムチャクチャだったけど、フェス自体はかなり楽しかった!気球できなかったのが心残りだし、また行きたい。

OUTSIDE LANDS〜LADY GAGA(サンフランシスコ旅行記)

約1ヶ月前のこと。旅行がてら、サンフランシスコのフェス・OUTSIDE LANDSに行ってきた!


まずはフェスの基本情報を少し挙げておきたい。


・GOLDEN GATE PARKで開催される都市型フェス
・今年は開催10年目のアニバーサリー回
・金曜~日曜の3日間開催
・各日メインステージのヘッドライナーはGORILLAZMETALLICATHE WHO
フジロックとラインナップのかぶりがちょこちょこある
・チケットは直前にはソールドアウト

 

自分が行ったのは土曜日。飛行機で現地到着後、ホテルに荷物を預けてそのままフェスへ向かうというハードスケジュール!当然時差ボケも直らぬまま。

 

会場まではシャトルバスが出ているという事でまずは乗り場に向かうのだが、そこでリストバンドを見せるように言われる。いや、リストバンドなど持ってはいない。印刷してきたチケットがあるだけだ。自分のような海外からの購入者にはリストバンドは事前送付されておらず、会場近くのWill Callで引き換える事になっていたのだ。その旨を係員に説明するが、やはりリストバンドを持っている者でないとシャトルバスは利用できないらしい。仕方なく一般の路線バスを検索して会場へ。Wi-Fiルーターあってほんとによかった。

 

暫しバスに揺られ、指定されていたWill Call近くに無事到着、リストバンド引き換えも無事成功。会場入り口まで公園沿いをひたすら歩き、いよいよ到着!改札のようなゲートをくぐり、中へ。


先ず入って正面には、このフェスのマスコットキャラクター・ranger daveの巨大像が。これは当然フォトスポットなのだが、いい位置で写真を撮るにはお金を払わないといけないシステムである。斜めから上手く自分が入るように撮るのが精一杯だった。


実はこのranger daveは、フェスの主催者。可愛らしいキャラクターにデフォルメされてるけどほんとはただのおっさんなんだよね。日本で例えると、ROCK IN JAPANの入場ゲートをくぐると渋谷陽一巨大像がどかーんと鎮座している、みたいなイメージか。ないわ!オフィシャルグッズにはranger daveのバブルヘッド人形まで売っていて、二度と来る事もないだろうと思ったので、一応記念に買っといた。ロッキンも渋谷陽一バブルヘッドでも売ったらどうすか?(仮にそんな提案をしたら、「このフェスの主役は参加者である皆さんなので...」とか言いそう)

 

それにしても、会場は寒い。サンフランシスコに到着した時からTシャツでは厳しかったけど、会場は軽めのダウン含め3枚着るほどの寒さ。夜になったらフリースも入れて4枚着たので、体感としてどこが夏フェスや...感はあった。これではライジングの夜中よりも寒いだろう。それでも、厚着する人がいる一方で普通にTシャツの人もいるところがアメリカっぽい。オフィシャルグッズ売り場にはTシャツ以外にもパーカーや革ジャン、手袋に靴下にニット帽までもがラインナップされていて、もはや夏フェスの品揃えではない!

 

観たアーティストは、以下の5組。

THE JAPANESE HOUSE/THE LEMON TWIGS/THUNDERCAT/CLAUDE VONSTROKE(DJ)/EMPIRE OF THE SUN

 

今回はしっかり歩き回ってフェスの雰囲気を感じる事を大切にしたので、あまりステージにがっつき過ぎないように心がけた。ジャパニーズハウスは名前からして日本人として観ておきたいと思って拝見したけどドリーミーで心地いいヤツだった。LEMON TWIGSはフジで観たかったのをアメリカで叶えられた。前半、ドラムのプレイに衝撃を受けていたのに後半あっさりパートチェンジしてヴォーカルになっちゃうのとか、何が起きるかわかんない!THUNDERCATは、フジロックでのステージがあんまりにも良かったので期待していたが、フジほどのマジックはなかったな。初見の衝撃ってのもあっただろうし、やっぱあのヘブンの夜の空気がよかったんだろうなー。あと時差ボケのピークでめちゃくちゃ眠くて集中できなかった。CLAUDE VONSTROKEはとにかく男女がチャラついてて異国の地から一人で来た者としては痛快であるとともにちょっと怖かった。EMPIRE OF THE SUNはヘッドライナーらしく豪快な演出であるとともに、みんなで大合唱するダンスミュージックで一体感抜群。今度ULTRA JAPANでヘッドライナーらしいですね。ただこの時、客席がとにかく臭くて...グレープフルーツを灰皿に浸したみたいな臭い。。とにかくそれがしんどかった思い出。

 

あと、金曜日の出演予定だったA TRIBE CALLED QUESTは、飛行機が飛ばずに出演キャンセルになり、土曜日に振替になったと聞いていたので、急遽観れる!ラッキー!と思っていたが、結局直前のアナウンスでその振替出演もキャンセルになるという異常事態。ぬか喜びだった...!

 

日本のフェスの雰囲気で一番近いと思ったのは、ライジングサンかな。ちょっと森みたいになってるとこもあるけど、基本は平地。オールナイトじゃないとこと、テントを張れないとこが違うけど、規模も割と近いと思う。OUTSIDE LANDSは結構現地に根付いているようで、4日後に都市部から少し離れたサンタローザという田舎町に行った時、このフェスのTシャツを着ていたら2回も声をかけられた。Tシャツ、とにかくかわいいしお気に入り。2種類も買ってしまった。フジロックに着ていきたいなあ。

 

あと翌日は、LADY GAGAのライブに行ったのでそれについても軽く。会場のAT&T PARKは、ジャイアンツの本拠地であるスタジアムで、空港のような厳重なセキュリティチェックを経て場内へ。想像していたほどの規模ではなく、日本でいうと横浜スタジアムぐらいかな。


19:00とチケットには書いてあるのに、サポートアクトのDJ SHADOWがスタートしたのは19:30。50分ほどのDJセットの間、何故かVJには漢字や東京の看板が出てきたのが興味深い。その後長い長い転換を経て、ガガが始まる頃には21時過ぎ。前にニューヨークに行った時も思ったけどこういうの日本と文化が違うよね。19時から素直にやれば21時には終わるのに!しかも日曜なんだから開演を早めてさっさとやれば、翌朝仕事や学校で早い人だって助かるのでは、と思う。アメリカの場合は飯食って2軒目行く、みたいなノリでコンサートに足を運ぶ方がいいのかもしれん。

 

ガガは初期にサマソニで観て以来でワンマンは初めてだった。衣装はいつもすごいけど、思ったよりそんなにド派手な演出ってないのね。これはニューアルバムのモードを反映してなのか、元々そうなのか?どっちなんだろう。セットリストはニューアルバム収録の新曲を軸にしつつ、過去のヒット曲も多数披露。早々にPoker Faceやるし、Born This Wayも出し惜しみせず中盤ぐらいで出してきた。The Edge Of Gloryのピアノバージョンもよかったな。ラストには"My mom"と自身の母親をステージに招き入れるサプライズも。アンコールは無く、ライブは2時間以内に終了。


この公演から1ヶ月経たずして、ガガは活動休止を発表。 今回のワールドツアーは日本公演がないので遠征しない限り観られないものだし、行けてよかったなあと思っていた矢先のこと。いつ何があるか分からんね。観たいものは観た方がいいし、会いたい人には会いに行った方がいい。つまり、ときめいたら、そこへ行け!ってこと。

FUJI ROCK '17 DAY3

いよいよ最終日。一発目はTHE NOVEMBERS。普通朝観るバンドじゃねーよっていう笑 でも朝っぱらから鳴り響く轟音、4人の佇まい、ホワイトステージのロケーション、途中から降った雨...。全部ぶつかり合って巨大なうねりを起こしてきた様がめちゃくちゃかっこよかった。。かつてはロキノン界隈のリスナーが聴くバンドだったのが、長い時間をかけて徐々にファン層をスライドさせてきた感があるノベンバ。懐かしい「こわれる」とかもやってたけど、同じ曲でも全然違う聴こえ方に思えた。


レッドマーキーに移動し、DYGL。ニューカマーながら早々にマーキーに抜擢されたのも納得のステージだった。そもそも音楽的にフジロックに出てる洋楽感が半端ないので、ココで聴くのは正解。3年に1回ぐらいやってくる常連になるかも。


グリーンでJET。解散前は苗場の常連だったバンドだけど、最後に出たのは2009年で、自分が行き始めたのが2010年だからギリギリ間に合わず、ライブを観た事が無かった。アルバム普通に好きだけど、やはりAre You Gonna Be My Girl?を観るのが最大の目的だったので、前半は疲れもあってボーっとしていた。後半遂にあのイントロが鳴り、一気に覚醒!そして観客、一気に前方へ。俺これが観たかったんだよ!満足。


グリーンでYUKI。暇だったのと、YUKIちゃんをこんな前で観られる機会ももうないだろうという事でJET終了後から待機。ストリングス等含めてかなりの大所帯での出演のため、サウンドチェックから色んな楽器の音が入り乱れて、しかもその音がやたら優雅で、早くも盛り上がる客達。そしていよいよ登場したYUKI、こんな可愛い生き物いる?ってぐらいの可憐さだった。音楽性に反してファンが過激にヒートアップしたのが結構怖くって、最初5列目ぐらいにいたのが、押され押されで最後数列下がってしまった。結果全体が観やすくはなったけど。セットリストは結構易しく、歴代のシングル中心の内容。ずっと雨で辛かったけど、ラスト「WAGON」の♪恵みの雨に打たれよう~のとこに繋がったのを観て、この為の雨か!!と一人感動してしまった。


苗場食堂で、むぎ(猫)。一部で話題になってる沖縄の猫。しっかりネタ仕込んできてるなあとは思った。あと、木琴叩くミュージシャンって久々に見た。


この日は観るものが決まってないのが多かったのだが、夜もそうで、結局アバロンLITTLE CREATURES×原田郁子に行った。しかしちょっと驚くほどの超満員。最初リトクリ単独で演奏してから、原田郁子を迎えての4人セットへ。中盤、クラムボン「バイタルサイン」をこの布陣で演奏する場面も。面白かったのは、原田郁子ヴォーカルで始まったSWEET MEMORIES(松田聖子)カバーが、1番終わったとこで青柳さんヴォーカルの恋しくて(BEGIN)になる展開!コード進行が似ているよう。で、それも1番終わったとこでまたSweet Memoriesに戻るという。なにこれ!夜の冷たい空気と、アバロンの幻想的な雰囲気によく合ってた。


トリは最後までビョークと悩んだものの、ヘブンのTHUNDERCATへ。これは良過ぎてビックリした。オザケンさえいなければ完全にベストアクトだったのに...!ドラムのテクニックのエグさに口開きっぱなしだった。ヘヴンのあの雰囲気、夏の夜空、少し冷たい空気...それら全てと相まって、トリップしてしまうよな気持ち良さ。あまりにいい気分になって、会場をウロウロして色んな場所からその音楽に浸ってみたりして。すんばらしい体験だった。


今年は朝までは遊ばず、その後深夜バスで帰宅。着くまでグッスリだった。


フェス終了後、今年はいつになくゴミのポイ捨てやタバコの吸い方といったマナーが話題になったけど、自分自身もそんな場面に遭遇した。あれはゴリラズの時、隣の外国人がずっとタバコを吸っていた。最初は煙たいから嫌だなとか、それぐらいのものだった。ただ、段々酔ってきたのかフラフラするようになってきて、一度僕の腕にタバコが当たった。危ないので少し睨んだら、ヘラヘラした顏で一応謝ってきたので、見過ごした。暫くして、またフラフラしながらこちらに来て、今度はリュックにタバコの火が当たった。彼を見ると、やっぱりヘラヘラした顏で謝ってきたので、今度は英語で注意した。すると彼は少し距離を置くようになったけど、やっぱりタバコは持ったままだった。そういう人は、当然のようにタバコのポイ捨てもしていた。8年間フジロックに行ってるけど、こんな思いをした事は無かった。ただでさえ訪日外国人が増えているし、自分が海外フェスに行きたいと思うのと同じでフジロックに行きたい外国人が沢山いるのもよく分かる。去年出た世界のフェス格付けでフジは3位だったしね。でも、フジロックが大事にしてきた思いが伝わってない新規の客が増えるとどうなるかを今年はちょっと思い知らされた。「分かってる客」だけが残っても衰退しかないから続けるには新規は必要だし、今までもそうやってきたはずなんだけど...ここにきて新たな課題。ライブは総じて楽しかったし、久々に自然に翻弄されたフジロックらしい3日間でした。

FUJI ROCK '17 DAY2

この日は健全な時間に起きて近くのホテルの朝食へ行き、10時過ぎに活動開始。グリーンのトップは観なくてもいいかなと思っていたサンボマスターだけど、丁度始まる時にグリーン前を通ったので観始めてしまった。ライブはかつてルーキーステージでも披露した「そのぬくもりに用がある」でスタート。持ち時間が長く、普段のフェスではセットリストから外れるような懐かしい名曲も続出。特に「月に咲く花のようになるの」「歌声よおこれ」で涙腺決壊だった。あの2ndアルバムの時期すごく好きなんだ。10年振りの出演というだけあって山口のテンションも凄まじく、雨の中踊り続けること1時間。結局その場を離れられず最後まで観てしまった。


少し遅れてFIELD OF HEAVENKYOTO JAZZ SEXTET沖野修也さんのバンド。ソイルのタブゾンビなんかも参加し、朝っぱらから濃厚ジャズセッションを展開。


オレンジカフェに移動し、まねだ聖子。まずタイムテーブルを見た時に爆笑してしまった。どういう活動をしたらフジロックのステージに立てるのか、と考えた事があるけど、まさかまねだ聖子を続けてるとフジロックに出られるとは...。そもそもアイドルに厳しいフェスだし、23周して逆にアリ、ぐらいの事なのか。モノマネの人は近くで観る事に意味があるからか、大きいステージではないとはいえなかなかの集客ぶり。普段はショッピングモールでの営業が多いというだけあって、こなれたステージには笑うしかない。「松田聖子観に行った事ある人!」という質問にはちらほら手が挙がってたけど、自分は本人のコンサートを観た事がないので、煽り方がどれくらい似てるのか分からなかったのが残念だった。聖子コールやら、♪フレッシュフレッシュフレーッシュの大合唱やらで会場大盛り上がり。うちわ持って来た人までいたし。赤いスイートピーで手を左右に振りながら、俺達苗場まで来て雨に打たれながら何やってるん?って気持ちにはちょっとなったけど...もはややってる事がキサラでしょ!因みに本人の興味からか、客の年齢層についてアンケートを取ったのだが、30代がそこそこいて、40代になるともっと多くの手が挙がった。松田聖子世代中心に集まったってのもあったかもしんないけど、止まらないフジの高齢...(こないだ記事にもなってましたね)


グリーンステージのCocco。バンドメンバーは20周年の法被を着て登場、Coccoは花束をステージに置いてライブ開始。雨が強くなる中、山々に囲まれたロケーションで聴く1曲目「けもの道」、既にただならぬ雰囲気。この日のセットリストは20周年ライブの延長なのかヒット曲連発の大サービスな内容で、1曲毎にイントロで歓声があがっていた。20年経っても名曲「強く儚い者たち」、雨の中で聴く「Raining」、更に「樹海の糸」まで連続できたら泣いちゃうよ。あと、2001年のMステ見てた人なら「焼け野が原」でグッと来ざるを得ないよね。20周年にこんな素敵な未来が待っているとは思わなかった。マイペースでも、続けてくれてありがとうという気持ちになった。


続いてグリーンステージはTHE AVALANCHES。去年、レッドマーキーでのステージが直前にキャンセルになってガッカリした思い出があるけど、あれから一年。アヴァランチーズをグリーンで観れるという最初で最後かも知れない機会を逃す訳にはいかない。そもそもどういうライブをしてるのかを知らないまま行ったんだけど、膨大なサンプリングから作られてる曲を普通に生バンド・生歌唱でやってるのね。激しさを増す雨の中、16年ものブランクがある1st2ndの曲がこの2017年に並列で鳴らされて、それに熱狂するフジロッカー達がいい光景だった...


ほんとはこのままグリーンに留まってCORNELIUSへと流れるのが美しいのだけど、あの方を万全の状態で観たいので、一旦宿に戻る。滞在可能時間15分程度しかなかったけど、着替えやドライヤー等を済ませ、再び会場へ。


グリーンステージでのコーネリアスを歩きながらチラ見しつつ、後ろ髪引かれる思いでホワイトステージに着くと、丁度DEATH GRIPSの演奏が終わったところ。凄まじい混雑だったが、客が抜けたところに上手く入って、56列目ぐらいまで行けた。そこから雨の中1時間待機。いよいよ小沢健二の登場。本人の声で、「みんなの力で、10.9.8....」と聞こえ、みんなでカウントダウン。0になるとブギーバックのイントロが始まり、既にスチャダラパーもいる!という粋な始まり。ブギバは過去にもライブで観た事があるけど、今回はnice vocalの小沢パートとsmooth rapのラップパートが合わさった構成で、完全版といってもいい内容だった。しかもステージには魔法的バンドのメンバー、ライブでは初参加のコーラス一十三十一、そしてスカパラホーンズまで、贅沢極まりない!熱狂そのままに、続けて「流動体について」のクラップをレクチャーしながらあのイントロを繰り返すが、実際にそこから突入したのは「ぼくらが旅に出る理由」。ひふみよツアーのラブリーのフェイントを思い出す。この日のライブではスクリーンに映像は映されず、曲のタイトルと歌詞がひたすら流れていた。本人が「歌えるところあったら一緒に歌って下さい」と言っていたし、魔法的もそうだったように、みんなで合唱するスタイルのライブ。と言われても歌えるとこってほぼ全部に等しいので、大雨に打たれながら熱唱し、尚且つ号泣するという訳の分からない感情に苛まれた。サンボ、Cocco含めてこの日3回泣いてる。レコーディングもしてない新曲として、去年からやってる「飛行する君と僕のために」を披露した後、「ラブリー」へ。ファンにはすっかり馴染んだ、♪完璧な絵に似たの部分には、初見で驚いた人もいるのかな。ニューシングル収録が決まった「シナモン(都市と家庭)」に続き、怒涛のヒットパレードに突入。正直やってくれると思ってなかった「東京恋愛専科~」に狂喜し、魔法的ツアーと同じ「さよならなんて云えないよ」からの「強い気持ち・強い愛」の流れには泣かされた。今のライブアレンジの「強い気持ち・強い愛」のドラムめちゃくちゃ好きなんだよね。間奏から歌入る時の、ダンダダンダンダンダンダダンみたいなやつ。そして先程焦らされた「流動体について」、90年代の曲と並んでも全く遜色のないグッドメロディ。ブギーバックでのスチャダラのコール&レスポンスを振り返ったMCを挟んで、「愛し愛されて生きるのさ」、ラストはニューシングルの表題曲でもある「フクロウの声が聞こえる」。この曲をこの場所で披露できるのが嬉しいと語っていたのが印象的だった。


自分は観にくさ全く無かったけど、後方は超満員のあまりほんとにとんでもない事になっていたらしい。ラッキーだった。あと、特にブギーバックとか撮影してる人も多かったけど、なんか自分は熱心に観入り過ぎて撮れなかった。そのあまりに贅沢な体験にただただ身を委ねた。オザケンのライブもフジロックも初めて行ったのがどちらも2010年で、それ以来ずっと観てきたから、自分の中ではこの両者の邂逅は'10年代の一つの集大成みたいな気持ちだった。こんな素敵な瞬間が訪れるなんて。


しかしこの日、余韻に浸る間も無く、オザケン2ステージ目を観る為にピラミッドガーデンに即移動。この移動で道をショートカットする為に、泊まらないのにキャンプサイト券まで買ったという熱の入れよう。しかしこの移動中に丁度雨が土砂降りになって、本当に心が折れそうになるほど濡れて身体も冷えた。何十分か歩いてようやく辿り着いたピラミッドガーデン、幸い人も未だ少なく、椅子で2列目を確保した。今度はそこから1時間半、雨の中待ち続けるという過酷な現場。雨で冷えているから、段々トイレにも行きたくなってくる。そして定刻を数分過ぎ、ようやくオザケン登場。このステージは近年美術館でやっている、アコースティックとモノローグで構成された内容。ライブパートにはスカパラメンバーも随時登場した。NARGOさん迎えた原曲に近い「天使たちのシーン」、Love musicで披露したGAMOさんフィーチャーの「ドアをノックするのは誰だ?」等々。先程のホワイトステージとはアレンジが違うだけでなく、セットリストも半数以上を入れ替え。この日2ステージを観ればワンマンを観たに等しいぐらいの内容だった。


モノローグでは3部に渡って、「夏休み」について語るオザケン。どうして夏に長い休みがあるのか?という内容で、アメリカにおいては年度の始まりが9月だから、その前に長い休みがある。学年と学年の間のリセット期間だから宿題もない。日本は4月に新学期だから、春にないとおかしい事になるけど、アメリカと形式だけ同じになって夏になってしまった。しかも、学年の途中にあるので宿題があるという、本末転倒な事になってしまっている、というような話。雨が激しかったので、本人からこのモノローグパートを飛ばしてライブだけやってさっさと終わらせようか?という提案もあったけど、ファンがそんなのに同意するはずもなく、きっちり予定通り行われた。しっかし予想以上にモノローグパートが長く、ライブは定刻を大幅に過ぎるほどのボリューム。おかげでトイレを我慢し過ぎて、最後「頼むから早よ終われ!」って思ってしまった。笑 内容はすんごい面白かったけど。


凍えて訳分からない状態で宿に戻る。3日目に続く。